【安定性】-『「密息」で身体が変わる』中村明一著 -

【「密息」で身体が変わる】

著者:中村明一

出版社:新潮選書

 

 

呼吸には大きく分けて4つの仕方がある。

『胸式呼吸』、『腹式呼吸』、この二つはよく知っていると思う。

 

もう一つは『逆腹式呼吸』。これはヨガや瞑想などをしている人は知っている。

息をはくときにお腹が膨れ、息を吸うときにお腹を引っ込める。

修練や修行などで使われる特殊な呼吸法である。

 

最後の一つが『密息』といういわれるものである。

これは、呼吸をするときにお腹をずっと膨らませておく呼吸法である。

簡単に言えば、腹に力を入れると言い換えた方がわかりやすいだろうか。

そして、腹を膨らませる最低限の力を使い、その他の余分な力を抜くのである。

 

一度、やってみていただきたい。

腹に力を入れて、呼吸をしてみる。

どうだろうか。

おそらく、肩や首などに力が入っていると思う。

 

我々の先祖はこの『密息』を日頃していたそうだ。

今でも、この呼吸法は、武術や茶道などの文化に用いられているそうです。

 

実際に私もこの密息を実践してみた。

最初は慣れるまでが大変だが、慣れると効果も出てくる。

歌を歌えば、いつもは苦しい高音領域も楽に出せたり、

歩くときに使えば、安定して歩くことができる。

 

慣れただけでこれだけの効果を得られたのだから、

密息を習得したときに、自分の仕事に応用したときを考えると目覚しい効果が出るに違いない。

 

本書は、やり方から、効果の部分まで著者の体験も含めて読みやすく書いてある。

日頃行なっている呼吸を進化させることができる一冊である。

 

 

「密息」で身体が変わる (新潮選書)

「密息」で身体が変わる (新潮選書)